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byこうのひとし

財津和夫の「青春の影」を何年も経てようやく分かるようになる

今日、ウクレレで、財津和夫さんの名曲「青春の影」でも弾いて遊ぼうかなとyou tubeでちょちょいと検索して、音源をオケにしてメロディーを弾いて一人遊びしておりました。

やはり、名曲だけあって、その美しい旋律は単音で弾いているだけでも心地よい。

1回弾くだけでは飽き足らず、何度も何度も弾いておったのですが、何度か弾くうちに歌詞を聴きとるようになりました。



若い頃からこの曲は大好きな曲だったのですが、これまでこの曲の歌詞の意味など良く分からず聞いておりました。

それが、時を経ておじさんになって所帯を持つと歌詞の意味が解釈できるように。

意味が分かると、なんだか泣きそうになってたまらんかったです。


なんでしょう。

クレヨンしんちゃんの映画「オトナ帝国の逆襲」を見たときもそうだったのだけれど、心の鍵穴にスポッとはまる感じっていうんですかね。

メロディーと歌詞が渾然一体となって、心に怒涛のように流れてくるというか。

お涙頂戴ではないこの感じ。

うまく言い表せないのだけれど、とにかくひとりで大感動。


ちなみにですが、私の解釈は男女の長い長い時間をかけての成長を歌っているのではないかと思いました。

こんな名曲を20代で書いた財津さんってほんとすごい!!


蛇足ですが、そんなこんなを思った後、この曲についてもっと知りたいとインターネットで調べて見ると、財津さんご本人のインタビューが出て来て、そこに


財津さんには、「理想の美しいカップルの姿」がありました。
それは、男女が一緒になったら小市民的なカップルになってほしい、
二人だけでつつましく生きていくことを知る、というもの。

よく「歌詞に出て来る男女は別れてしまった」と解釈されますが、
実は、カップルが一緒に歩む姿を描いた歌詞だったんですね。

財津さんは「もう少し上手に書いていれば
(別れていないと)理解してもらえたのかも…」と話しました

http://www.1242.com/radio/yagi/archives/377より引用

と。


ここからは、少し「青春の影」から若干それますが。

昨今「青春の影」のような素晴らしい歌詞が少なくなったなとは個人的には思います。

一度聴いたら誰でも分かると言うか、

「砂糖って甘いよね。」

「分かる分かるー」

って言う当たり前のことを書いてると言うか。

誰とは言いませんが、そんなゴミみたいな歌を良く聴きます。


井上陽水さん何かの歌詞などまさにそうですが、何度も何度も聴いてようやくこう言うことなのかなーとかそれぞれの人で解釈して楽しむってのが、少ないなと。

陽水さんなどは歌詞だけで詩集が作れるほどのものだと思います。

意味が完全に分からなくてもいいんですよね。

分からないから面白いんです。

人それぞれに解釈があって良いと思うんすよ、自分。


ちなみに歌詞とは若干違いますが、今、中原中也の詩集を読んでいて、一度読んだだけではさっぱり意味など分からんのですが(同じ詩を必ず3回は音読するのですがそれでも良く分からん)、それでも言葉の使い方や美しさ、背景の描き方などは楽しめています。


脊髄反射の共感などは、ただただ消費しているに過ぎないと私は思うのです。

そんなゴミを聴いて楽しいかね若者よ、とおじさんは思うわけですねー。


昨今の曲に限らずあらゆるものがマーケティングを元に作られているので、致し方ないといえばそれまでなのだけど。

脊髄反射の方が分かりやすい感動や共感だと勘違いしやすいので、お商売はしやすいですし。

商業的なことを考えるのはとても大事なことですが(一番悲しいことはセールスが上がらないことですからね。でないとごはん食べらんない)、それが行き過ぎてやしないかいと思うことが多いです。
(作り手の人にもいろんなしがらみがあるのはもちろん分かってるんだけどね。)

ただ、作り手は作り手の温度の伝わる良いものをと言う気概は忘れたくは無いですね。
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